こんにちは、武藤です。
僕は、学生時代に起業をしました。そして、新卒で就職はしませんでした。
もちろん、就職をしようか迷ったこともあります。しかし、その道は選びませんでした。
そして、今でもその仕事を続けています。
「なぜ、新卒で就職しなかったの?」と疑問に思う人や、
「新卒で就職するかどうか迷っている」という、学生起業した人に向けて、
当時はこんなことを考えていたな・・・というのを、思い出しながら書いてみたいと思います。
カッコ悪い部分もちゃんと書いていきますね。
もくじ
新卒で就職する方が不安定だと思ったから
新卒で就職しないって、良く言えば勇気がある、悪く言えば無謀だと想う人が多いと思います。
ただ、当時の僕が考えていたことは逆でした。
新卒で就職する人の方が、よっぽど勇気があると思っていました。
なぜなら、就職するまで分からないことがあまりにも多すぎると思ったからです。
例えば、どこの会社に就職できるか分かりません。もしかしたら、全く希望しない会社になるかもしれません。
また、総合職だと全国転勤があります。自分が住むことになる場所すら、分からないのです。
さらに、上司・同僚・部下と、どのような人がいるか分かりません。
それなのに、みんなよく就職できるな、勇気があるな、と本気で思っていました。
在学中に起業して、卒業後もその仕事を続ければ、環境が大きく変わることはありません。
どんな仕事をするか、どこで仕事をするか、どんな人と仕事をするのか、全部事前に分かります。
どう考えても、僕の方が「安定志向」だと思います。
在学中から何とか稼げていたから
新卒で就職しなかった理由の1つに、在学中から稼げていたことがあります。
すでに利益が出ていたので、「これなら食って行けるだろう」という思いがありました。
ただ、めちゃくちゃ稼げていたかというと、そうではありません。
僕が大学1年生の頃から卒業の年まで、どれくらいの収入があったのかを公開します。
ちなみに、ここに掲載しているのは「利益」です。
2010年 | 50,000円 |
2011年 | 639,164円 |
2012年 | 932,102円 |
2013年 | 1,763,778円 |
2014年 | 2,664,157円 |
僕の場合、卒業した年で年収266万円、すなわち月収20万円くらいですね。
起業した当初から、「在学中に自立できるお金をビジネスで稼げなかったら就職しよう」と思ってました。
その意味では、何とかそれを達成できたので、就職せず起業しました。
逆に、もし在学中に稼げていなかったら、新卒で就職を選んでいたと思います。
起業してからの人生が圧倒的に面白かったから
僕の人生は、起業してからが圧倒的に面白くなりました。
だから、それを手放したくないという思いが強かったです。
誰かから命令されたことをやるのではなく、自分でアイデアを出していく感覚が、とても好きでした。
それが当たれば、お客さんから感謝されます。それに比例して、収入も伸びていきます。
もちろん、起業にはシビアな面もあります。
時給制のアルバイトなら、働いた分のお金は必ずもらえます。
でも、起業は必死に働いても、お客さんに購入してもらえなければマイナスにすらなります。
実際、17歳で起業してから、最初の2年間は赤字でした。
やっと黒字が出るようになった時も、時給に直すと300円くらいでした。
そういうマイナス面を含めても、
「なんだこれ・・・起業ってめちゃくちゃ面白え・・・」
と思ったことを覚えています。
「自分にはこっちの生き方があっている」と、直感的に思ったのです。
それなのに、新卒だから就職する、というのは、
これからがクライマックスというところで、映画館を途中で出るような感覚がありました。
自分はどこまでやれるのか、どこまで大きくなるのか、この続きが見たいと思ったのです。
お客さんから続けてほしいと言われたから
今の僕は、音楽プロデュース、講演・セミナー、経営コンサルティングなど、幅広い仕事をしています。
しかし、当時はライブハウスでの音楽イベントの企画がメインでした。
就職するかも、と迷っていたとき、
「僕も就職するので、もうすぐこのイベントも終わるかもしれません」
というメルマガを配信したこともありました。
仕事への思いや、起業への未練などを、文章で素直に語りました。
すると、普段は反応してくれない読者さんからも、「ぜひ続けてほしい」というメッセージがたくさん来たのです。
自分の商品やサービスを必要としてくれる人が、こんなにいるんだなということに驚かされました。
このことも、僕が就職を選ばなかった大きな要因です。
親とは違う人生を歩きたかったから
僕の親は、いわゆるいい大学を出て、いい会社に入った人です。
外面的にはとても良い人で、「とても優しそうなお父さんだね」と言われます。
しかし、彼には別の顔があります。
僕は肉体的に暴力こそ振るわれなかったものの、言葉の暴力を浴びてきました。
脅すようにお金を借りられたことがありました。しかも、返ってきませんでした。
今では独立して、絶縁状態です。
ただ、今でも彼の悪夢にうなされることがあります。また、どんなことをされたのかを他人に話そうとすると、身体が震えます。
経済的には感謝しているけれど、精神的に「親」だと思ったことはありません。
中学生の頃、友達に充てたメールにもこう書いてあります。
このような環境で育った僕は、
「彼と同じような人間になるなら、自分には生きている価値はない」
と思ってきました。今でもそう思っています。
だからこそ、「出来るだけ彼とは違う進路を歩まなければいけない」という強迫観念が強くありました。
僕も、彼と同じように、一応「いい大学」には入りました。
しかし、そのまま「いい会社」に入ってしまうと(入れたかどうかは分からない)、同じような人間になってしまうという恐怖感がありました。
だから、違う道を歩むことにしました。
このことがなかったら、新卒では就職してみる、という選択肢を取ったかもしれません。
他人と違うことをして認められたかったから
もうひとつ暗い過去の話をします。笑
僕は小学校くらいまで、楽しい学校生活を送っていました。しかし、中学校でいじめを受けました。
そのトラウマで、人と接することが怖くなってしまいました。
「他人と話したい」と思っても、声が出てこないのです。どうしていいか分からなくて、本当に辛い毎日でした。
この結果、中学から高校の約6年間、ほとんど友達ができませんでした。
空気以下の存在だった僕は、「他人から認められたい!」という気持ちが、すごく強かったのです。
そのために、「他人と違う生き方をしたい」と思っていました。
他人と違う道を選ぶこともそうですし、起業して今までない商品やサービスを生み出していきたかったのです。
それが、新卒で就職せず起業という道に繋がりました。
今でも、「学生の頃から起業してるなんてすごいですね!」と言ってもらえることが多いので、承認欲求は満たされています。笑
固定的な人間関係が苦手だったから
学校には、「クラス」というのがありますよね。あの、毎日同じ人と顔を合わせる感じが、どうしても苦手だったんです。
その点、大学は自由でした。
例えば、僕の学部にはクラスがありませんでした。サークルもゆるくて、辞めたいと思えばすぐに辞められます。
逆に、2年生や3年生からでも、新しい人間関係を作れます。
この、毎日同じ人と顔を合わせない関係性が、すごく楽だったのです。
会社に入れば、また人間関係が固定的になります。就職しなかったのは、それを避けたかったという思いもあります。
就職せず起業したことを後悔したことはあるか?
僕は最近、就職か起業かで迷う学生さんから相談されることが多いです。
このとき、
「起業ではなく、新卒で就職していれば良かったと思うことはありませんか」
と聞かれることがあります。
答えを言えば、新卒で就職しなかったこと、後悔したことは1秒もありません。
強いて言えば、
「会社っていうのもどんなものか見てみたかったな」
っていう気持ちはあります。
ただ、人間の身体は1つです。すべての道を経験できるわけではありません。
だから、そんなことを言っても仕方がないと思います。
僕が新卒で就職せず起業した理由:まとめ
ここまで、僕が新卒で就職せず、学生時代に起業したビジネスをそのまま続けた理由を話してきました。
まとめると、次の通りとなります。
・新卒で就職する方が不安定だと思ったから
・在学中から稼げていたので、卒業後も成功するだろうと思えたから
・起業してからの人生の方が、圧倒的に面白かったから
・お客さんから続けてほしいと言われたから
・親と確執があり、違う人生を歩みたかったから
・他人から認められたい気持ちが強かったから
・固定的な人間関係が苦手だったから
結構、カッコ悪いところもあったと思います。ただ、僕が新卒で就職せず起業した、リアルな理由をすべて書けたと思います。
僕の決断が、あなたの参考になれば嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。