こんにちは、武藤です。
ビリでも一生懸命走っているリレーの選手を見ると、心を打たれますよね。
スポーツの試合でも、負けていても最後まで諦めない選手は、応援したくなります。
このように、不利な立場にある人を応援したくなることを「アンダードッグ効果」といいます。
アンダードッグ(=underdog)とは、「負け犬」という意味です。
世の中では、あらゆる場面でアンダードッグ効果が作用しています。
そして、これをビジネスに活用することで、売り上げを伸ばすことも可能です。
この記事では、このアンダードッグ効果のさらなる具体例や、ビジネスでの活用事例を紹介します。
記事の内容を動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。
もくじ
日常生活におけるアンダードッグ効果の事例
ここからは、日常生活におけるアンダードッグ効果の事例を紹介します。
負けているチームを応援したくなる
春や夏になると、母は高校野球の試合を見ています。
ただ、特に応援しているチームがあるわけではありません。
「負けている方のチームを応援する」と言っていました。
先ほどまで応援していたチームが逆転すると、今度はもう一方のチームを応援し始めます。
これも、不利な立場に置かれた対象を応援したくなる、アンダードッグ効果の一例です。
好きなバンドが有名になったら気持ちが冷める
僕の学生時代の友人に、インディーズバンドを応援している人がいました。
インディーズバンドとは、まだ有名になっていないバンドのことです。
毎月のようにライブハウスへ通い、そのバンドの演奏を聴きに行っていました。
しばらくして、そのバンドがデビューすることになりました。
テレビなどにも取り上げられ、とても人気が出ました。
僕はきっと、今ごろ彼が喜んでいると思いました。しかし、最近久しぶりに会った彼は、次のように言っていました。
「人気がないうちは応援していたけれど、有名になったらどうでも良くなった」
知名度もないし、有名でもない。売れていない。だからこそ、そのバンドを応援したい。
これも、アンダードッグ効果の典型です。
アンダードッグ効果のビジネス活用法
アンダードッグ効果は、ビジネスでも活用されています。
お客さんに対して、自身が置かれた不利な立場を正直に伝えます。
すると、お客さんはあなたを応援してくれるようになります。
それは、売り上げの増大にも繋がります。
クレームを利用してお客さんと絆を深める
僕は、17歳からビジネスをしています。関わるお客さんは、ほとんどがとても良い人たちです。
しかし、一度だけ理不尽なクレームをもらったことがあります。
そのときは、かなり精神的に疲弊していました。正直、「もうこの仕事をやめたい」と思いました。
そこで、その気持ちを正直にメルマガで打ち明けました。
すると、「いつも武藤さんの活動に励まされているので、絶対にやめないでください」「応援している人もたくさんいることを知ってください」という激励のメールをたくさんいただきました。
そして、その後に発売した商品の売れ行きも非常に好調でした。
当時の僕は、「アンダードッグ効果」という言葉を知りませんでした。
しかし、「弱さを正直に打ち明けることで応援してもらえるのだな」ということを、実体験を通じて知りました。
チケットが売れなかったミュージシャン
僕は、ミュージシャンのプロデュース業もしています。
あるとき、あるミュージシャンがチケットを発売しました。しかし、予想よりも売れ行きが思わしくありませんでした。
彼は、「チケットが全然売れないんですが、どうしましょう・・・」と青ざめた顔で相談に来ました。
そこで、僕はある提案をしました。それは、現状をすべて正直にファンへと伝えることです。
この僕の提案は、アンダードッグ効果を狙ったものでした。
翌日、彼はメルマガで音声を配信しました。
チケットが売れていないこと。そして、かなり落ち込んでいること。
それでも、今回のライブのために必死に準備をしてきたから、絶対に満足させる自信があること。
この結果、彼のもとには応援のメッセージが次々に届き、チケットも次々に売れていきました。
販売ノルマを達成できずにいた営業マン
僕の知人に、営業の仕事をしている人がいます。
あるとき、彼は会社から課された販売ノルマを達成できずにいました。
このため、かなり焦っていました。
ある訪問先を訪れたものの、契約は決まりません。そこで、彼は思い切って本音を話しました。
「この契約を落とすと、ノルマが達成できなくて、会社にいられなくなるかもしれないんです・・・。」
すると、その瞬間に相手の顔色が変わりました。そして、商品を購入してもらうことができたのです。
アンダードッグ効果の活用ポイント
ここからは、アンダードッグ効果を活用する際のポイントを話していきます。
アンダードッグ効果を生み出す最重要要素
アンダードッグ効果が作用するために、最も重要なことがあります。
それは、あなたが努力をしていることが、相手に伝わっていることです。
例えば、ビリを走るリレーの選手がいるとします。
しかし、彼が手を抜いて走っていたら、誰も応援する人はいません。
最後まで諦めず全力で走るからこそ、応援したくなるのです。
先ほど紹介したミュージシャンも同じです。
彼は、日頃からファンとのコミュニケーションを怠らない人でした。
とても優しい人柄で、ファンへのメルマガもこまめに発行していました。
このため、「頑張っている人」という認識をされていました。
だからこそ、「実はチケットが売れていない」と言ったときに、アンダードッグ効果が働いたのです。
もし彼が、普段からファンを大切にしない人だったらどうでしょうか。
おそらく、誰も彼を助けたいとは思わなかったはずです。
このように、アンダードッグ効果を作用させるには、努力がきちんと相手に伝わっている必要があります。
弱みを見せるとライバルと差別化できる
アンダードッグ効果のポイントは、自身が置かれた不利な立場を、正直に話すことです。
多くの人は、これに抵抗を感じます。
「お客さんに対してみっともない」「カッコ悪いのではないだろうか」という気持ちになります。
これは、僕もそうですので、よく分かります。
ただ、正直に弱みを打ち明けることで、相手の心を惹きつけることができます。
特に、ビジネスにおいて自分の弱みを見せられる販売者は少ないです。
商品を宣伝するときは、長所ばかりを話す人が多いです。
あるいは、「こんなに売れてるんですよ」と言うことばかりを強調したがる人が多いです。
だからこそ、弱みを打ち明けることで、他の販売者と差別化することができます。
そして、「自分がこの人の力になりたい」と感じてくれるのです。
アンダードッグ効果で逆境はチャンスに変わる
ビジネスをする以上、すべてが上手くいくことはあり得ません。
どんなに努力をしても、思うような結果が得られないことはあります。それは、僕も同じです。
先ほど書いたように、理不尽なクレームを受けることもありました。
今でも、商品が思ったより売れないこともあります。
以前は、このようなことがあるたびに落ち込んでいました。しかし、今は違います。
辛いことがあったら、お客さんとそれを正直に共有するようにしています。
すると、温かいコメントをいただくことができます。そのたびに、お客さんとの絆が深まるのを実感しています。
このように、アンダードッグ効果の活用により、逆境をチャンスへと変えることができます。
ぜひ、あなたも活用してみてください。
アンダードッグ効果の逆「バンドワゴン効果」
アンダードッグ効果は、不利な立場にある人が応援を受けるものです。
これの反対に、「バンドワゴン効果」が存在します。
バンドワゴン効果は、有利な立場にある人を応援したくなるものです。
例えば、人気のある商品を自分も欲しくなる。
あるいは、長い行列の後ろに自分も並びたくなる。
バンドワゴン効果については、以下の記事で解説しています。
アンダードッグ効果とあわせて勉強することで、より理解が深まります。
ぜひ、読んでみてください。
アンダードッグ効果:まとめ
ここまで、アンダードッグ効果について解説してきました。
まとめると、次の通りになります。
・不利な状況にある人を応援したくなるのがアンダードッグ効果
・アンダードッグ効果が作用するには、努力が相手に伝わっていることが重要
・弱い立場を正直に打ち明けることが、相手の心を惹きつける
・アンダードッグ効果を活用することで、逆境をチャンスに変えられる
お客さんとの絆が深まり、売り上げアップにも繋がります。
ぜひ、活用してみてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。