こんにちは、武藤です。
メルマガをビジネスに活用する上で、とても重要なのが「到達率」です。
到達率とは、読者全体に対して、どれくらいの確率でメルマガが届いているかを表す数字です。例えば、メルマガ登録者が100人いるとします。このうち、80人に届いているとすると、到達率は
80人 ÷ 100人 = 0.8 = 80%
となります。
到達率が低いと、件名や本文をいくら工夫しても、努力は水の泡となります。そして、いつまで経っても売り上げが伸びません。
そこで今回は、メルマガの到達率の仕組みと、それを上げる方法を解説します。この記事を読んで到達率を上げれば、売り上げも比例して伸びていきます。
もくじ
メルマガ到達率が決まる仕組みを理解する
メルマガは、宛先さえ合っていれば100%届くと誤解している人が多いです。僕も、以前はそのように思っていました。
しかし、実際にはそうではありません。メルマガは、僕たちが想像している以上に届いていないのです。したがって、到達率に気を配る必要があります。
到達率を上げるには、それがどのような仕組みで決まっているのかを理解することが大切です。ここからは、到達率が決まる仕組みについて解説します。
メールサービスが発行者を評価している
メルマガの到達率を左右するのは、メールのサービスを提供する企業による発行者の評価です。
現代では、さまざまな企業がメールのサービスを提供しています。
例えば、GoogleはGmailを提供していますし、Yahoo!はYahoo!メールを提供しています。携帯電話の各社も、「docomo.ne.jp(ドコモ)」や「softbank.ne.jp(ソフトバンク)」などのメールサービスを提供しています。
これらのメールサービスを提供する企業は、メルマガ発行者の質を評価しています。
ある発行者を「この人は良い発信をしている」と評価した場合、そのメルマガを届きやすくします。つまり、到達率が上がります。
逆に、「質の低いメールを配信している」と発行者を評価した場合、そのメルマガを届きにくく設定します。すなわち、到達率が下がります。具体的には、迷惑メールフォルダに入ったり、そこにすら到達しなくなったりします。
まずは、到達率を左右するのは、発行者に対する評価であることを理解してください。
読者の行動が到達率を大きく左右する
それでは、メルマガ発行者の質は、どのような基準で評価されているのでしょうか。
この答えは、読者の行動です。メールサービスは、読者がメルマガに対して取る行動によって、その発行者を評価しています。
判断基準となる読者の行動には、「ポジティブアクション」と「ネガティブアクション」という2つがあります。ここからは、それぞれについて詳しく解説します。
メルマガの到達率を上げる読者の行動
メルマガの到達率を上げる読者の行動を、ポジティブアクションといいます。
ポジティブアクションとは、直訳すると「前向きな行動」という意味です。つまり、読者による「ぜひこの人のメルマガを読みたい」という前向きな行動です。
このポジティブアクションを取る読者が多いほど、メルマガの到達率が上がります。例えば、次のようなものがこれに分類されます。
「迷惑メールではない」と報告する
あなたの発行するメルマガが、読者の「迷惑メールフォルダ」に入ってしまったとします。このとき、読者が「迷惑メールではない」という報告をしてくれることが、ポジティブアクションになります。
各種メールサービスには、「このメールは迷惑メールではありません」という報告をするボタンがあります。例えば、次の画像で赤く囲った部分のようなものです。
Gmailの場合
Yahoo!メールの場合
読者がこのボタンを押してくれることは、ポジティブアクションになります。なぜなら、「この発行者のメルマガは迷惑メールではありませんよ」ということを、行動で示しているからです。
メールを開封して精読する
読者がメルマガを開封してくれることも、ポジティブアクションの一種です。なぜなら、「自分はこのメルマガを読みたい」という意思を、行動で示しているからです。
また、そのメールをじっくりと時間をかけて読む(=精読する)ことも、ポジティブアクションになります。読者にとってメルマガが有益である証拠だからです。
よって、開封率と精読率が高いメルマガほど、到達率も高くなります。
メルマガ内のリンクをクリックする
メルマガには、リンクが掲載されていることがあります。例えば、次のような感じです。
読者がリンクをクリックすることも、ポジティブアクションになります。なぜなら、読者がメルマガの内容に興味を持っている証だからです。
メルマガの到達率を下げる読者の行動
逆に、メルマガの到達率を下げてしまう読者の行動を、ネガティブアクションといいます。
ネガティブアクションとは、直訳すると「後ろ向きな行動」という意味です。つまり、読者による「この人のメルマガは読みたくない」という、後ろ向きな行動です。
このネガティブアクションを取る読者が多いほど、メルマガの到達率は下がります。例えば、次のようなものがこれに分類されます。
「迷惑メールである」と報告する
各種メールサービスには、「このメールは迷惑メールです」という報告をするボタンがあります。例えば、次のようなものです。
Gmailの場合
Yahoo!メールの場合
読者がこれをクリックすることは、ネガティブアクションになります。なぜなら、「この人のメルマガは迷惑メールです」と、意思表示しているということだからです。
メールを開封しない
読者がメールを開封しないことも、ネガティブアクションになります。
読者はメルマガに興味がないからといって、すぐに配信を解除するわけではありません。解除もせず、開封せずに放置する人も多いです。
ただ、これは読者が「このメルマガに興味はありません」という意思表示をしているのと同じです。よって、開封率が低いメルマガは、到達率が下がります。
メルマガの到達率を上げるための具体的な行動
ここまで、到達率を左右する読者の行動について解説してきました。
到達率を上げるには、なるべく読者のポジティブアクションを増やすことが大切です。同時に、ネガティブアクションを減らすことも重要です。
ここからは、そのための具体的な方法を解説します。
必ず相手の承諾を取ってから配信する
メルマガを配信する際は、必ず相手の承諾を取ってください。
承諾なくメルマガを配信しても、嫌悪感しか持たれません。そして、迷惑メール報告をされたり、開封されなかったりされます。この結果、到達率が下がってしまいます。
僕も、登録した覚えのない人からメルマガが届くことがよくあります。また、名刺や連絡先を交換しただけの人から、勝手にメルマガが届くようになったことがあります。嫌悪感しか覚えず、すぐに迷惑メール報告をしました。
そもそも、承諾もなくメルマガを配信したところで、商品は売れません。何より、相手を不快な気持ちにさせます。よって、配信を希望する人にのみ、メルマガを配信するようにしてください。
「承諾」といっても、難しいことはありません。「メルマガを配信しますので、ご希望の方はメールアドレスを記入(入力)してください」と伝えて、アドレスを収集するだけです。
こうすることで、ネガティブアクションを取られることが減ります。そして、メルマガの到達率が上がります。
定期的に配信する
到達率を上げるには、メルマガを定期的に配信することが有効です。なぜなら、配信の頻度が低いと、忘れられてしまう可能性があるからです。
こうなると、「このようなメルマガに登録した覚えはない」と思われ、迷惑メール報告をされてしまう確率が上がります。
これを防ぐには、メルマガの配信頻度を上げてください。出来れば毎日が良いですが、なかなか難しいと思います。なので、最低でも週に一回の配信をするようにしてください。
また、配信頻度を上げることで、読者にメルマガの開封を習慣化させることができます。「毎朝新聞を読む」「食後にコーヒーを飲む」のと同じように、あなたのメルマガを開封させるのです。
すると、開封率が上がります。開封はポジティブアクションであるため、メルマガの到達率もさらに上昇します。
読者の獲得方法を工夫する
メルマガの到達率は、読者を獲得している方法によっても大きく左右されます。なぜなら、それによって開封率や精読率、リンクのクリック率が違ってくるからです。
メルマガ読者の獲得方法には、次のようなものがあります。
・ブログ
・YouTube
・SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)
・有料広告
・メールアドレスの購入
僕が発行するメルマガの場合、主に自身の「ブログ」と「YouTube」のみで読者を獲得しています。
このような方法で読者を集めると、登録前にいくつも記事を読んだり、動画を見たりした人だけが登録します。このため、読者になる人は、かなりファンになった状態であると言えます。
したがって、「ぜひこの人のメルマガを読みたい」という気持ちが強いです。よって、ポジティブアクションを取る読者が多いです。このため、常に到達率が高い状態を維持できます。
しかし、広告で獲得した読者は、発行者のことをよく知らない状態で登録します。メールアドレスを購入した場合は、全くあなたのことを知らない人が読者となります。
このため、メルマガを読みたいという気持ちが弱いです。したがって、ポジティブアクションは減少し、ネガティブアクションが増えます。よって、到達率が低くなりやすいです。
このように、読者の集め方によっても、到達率はかなり左右されます。
オススメは、僕と同じようにブログかYouTubeを使うことです。これなら、かなりファンになった状態で登録を頂けるので、読者の反応が良いです。そして、到達率も高く維持できます。
件名(タイトル)を工夫する
メルマガの件名(タイトル)を、あまり工夫せずにつけてしまう人は多いです。ただ、件名が魅力的なものでないと、開封率が下がってしまいます。よって、到達率も低下します。
読者は、あなたのメルマガだけを受信しているわけではありません。他の企業や個人が発行するメルマガや、ビジネスやプライベートの連絡など、さまざまなメールを受信しています。
その中から、あなたのメルマガを選んで開封してもらわなければなりません。ここで重要になるのが、メルマガの件名です。
読者のメールボックスには、受信したメールの件名だけが並ぶことになります。例えば、次のような感じです。
この中から選んでもらうには、件名で目を引くことが重要です。
件名の付け方のポイントとしては、「メルマガを読むことによるメリットを提示する」「矛盾する内容を作り出して興味を引く」など、さまざまなテクニックがあります。
件名の付け方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひとも、参考になれば嬉しいです。
宣伝を減らし、有益な情報を配信する
メルマガの開封率は、内容が有益であるかどうかに大きく左右されます。つまり、面白いメルマガを書けているかどうかです。
読者が「この人のメルマガは有益だ」と思えば、高い確率で開封してくれます。そして、じっくりと精読してくれます。また、掲載されているリンクをクリックしてくれる確率も上がります。
逆に、つまらないメルマガを配信していると、読者は何も行動をしてくれません。よって、到達率もみるみる下がっていきます。
メルマガを読まれない人の特徴は、宣伝ばかりをしていることです。「新商品の入荷」「セールの情報」「クーポンの配布」など、商品の売り込みばかりをしているのです。
しかし、あなたもこのようなメルマガを読みたいとは思わないはずです。なので、これはすぐにやめてください。
そうではなく、あなたが抱えている読者にとって、有益な情報を配信することに徹してください。
例えば、あなたが美容に関する商品を扱っているとします。この場合、「髪にツヤを出すための工夫」「冬でも肌を乾燥させない方法」「ダイエットに役立つ健康的な食事」など、有益な情報を配信するのです。
すると、読者はあなたのメルマガを欠かさず読んでくれるようになります。このことが、到達率の上昇にも繋がります。
そして、セールスはごくたまに行うようにしてください。これなら、読者から嫌われることもありません。むしろ、「いつも有益な情報をくれる●●さんの紹介する商品だから良いに違いない」と思われます。よって、セールスばかりのメルマガを配信するより、何十倍も売り上げが伸びていきます。
このように、セールスばかりするのではなく、有益な情報を配信してください。こうすれば、読者の反応が良くなり、到達率も上がっていきます。
配信を停止(解除)しやすくする
メルマガの到達率を上げたい場合、配信を停止(解除)しやすくしてください。
到達率を上げるのと、配信を解除しやすくすることは、矛盾しているように思えるかもしれません。しかし、実際には配信を停止しやすいメルマガの方が、到達率はアップします。
解除しやすくほど到達率が上がる理由
メルマガを読ませたいあまり、「配信を停止されないようにしよう」と考えてしまう発行者は多いです。停止方法を分かりにくくしたり、あえて複雑にしたりする人もいます。
しかし、これは逆効果になってしまいます。
メルマガの配信を停止したいのに、解除方法が分からない人は、次のような行動に出ます。
・メルマガを開封しない
・迷惑メールボタンを押す
これらはすべて、「ネガティブアクション」です。すると、メルマガを読みたい人への到達率まで下がってしまうんですよね。
これを防ぐためには、読みたくない人が簡単に配信を停止できるようにすると良いです。
僕も、メルマガを発行する際は、毎回必ず配信停止用のリンクを掲載しています。例えば、次のような感じです。
読者がこのボタンを押すと、次のようなページに飛びます。
メルマガに登録しているアドレスを入力し、「確認」ボタンを押すだけで、簡単に配信を停止できます。複雑な手続きなどは一切要求していません。
こうすることで、メルマガを不要な読者に届けずに済みます。すると、ネガティブアクションをされにくくなります。この結果、本当に読みたいと思っている読者への到達率も上がります。
ちなみに、「メルマガの配信を解除されること」は、ネガティブアクションではありません。よって、解除されることを恐れる必要はありません。
「解除する場合はご連絡ください」もNG
読者がメルマガの配信を停止する方法として、「メルマガが不要な方はご連絡ください」と案内する発行者がいます。
しかし、これは良くありません。なぜなら、読者に気を使わせてしまうからです。
これは、あなたが読者の立場になればよく分かります。配信が不要だからといって、発信者に対して「今後の配信は不要です」というメールを送れるでしょうか。罪悪感を感じてしまい、なかなか気が進まないと思います。
すると、解除をせずに「メルマガを開封しない」「迷惑メール報告をする」というネガティブアクションを起こすようになります。これだと、メルマガの到達率が下がってしまいます。
これを防ぐには、配信を停止するためのフォームを用意すると良いです。先ほども紹介した、次のようなものです。
ほとんどのメルマガ配信サービスでは、このようなフォームを自動的に用意してくれます。このため、メルマガにそこへのリンクを掲載すると良いです。
「SPF・DKIM設定」をする
メルマガを発行する際には、「SPF・DKIM設定」というものがあります。これは簡単に言うと、「この発行者は悪徳業者ではありません」という、インターネット上の署名のようなものです。
悪徳業者がメルマガを悪用する手口として、「なりすまし」があります。例えば、GoogleやAmazonなど、信用されている大手企業のメルマガになりすまします。そして、読者にクレジットカード番号などの個人情報を入力させようとするのです。
「SPF・DKIM設定」を行うことで、メールサービスに対して「なりすましなどの悪徳行為はしていません」ということを宣言できます。これにより、メルマガの到達率が上昇します。
メルマガ配信サービスと契約すると、多くがSPF・DKIM設定が完了した発行者用メールアドレスを提供してくれます。
僕の場合、エキスパという配信サービスを使い、そこから発行されるメールアドレスから配信を行っています。
よって、あなたもSPF・DKIM設定が完了した発行者用アドレスを提供してくれる配信サービスと契約し、そこからメルマガを配信することで、到達率を上げることができます。
届かない読者に対して配信しない
メルマガの到達率を上げるには、「エラーアドレス」への配信を止めるようにしてください。エラーアドレスとは、メルマガが届かない宛先のことです。
この代表例は、存在しないメールアドレスです。読者が自分のアドレスを間違えて登録したり、後で変更したりした場合、メルマガが届かなくなってしまいます。
また、メールアドレス自体は存在していても、相手の受信ボックスに空き容量がない場合、メルマガは届きません。
パソコンやスマートフォンなどに保存できるファイルの容量には制限があります。メールもこれと同じで、容量がいっぱいだと届かないのです。
これらの届かない宛先に配信を続けていると、「機械的な配信を行う悪徳業者なのではないか」と判断されます。そして、メルマガの到達率が低下します。
ただ、メルマガ配信サービスの多くは、エラーアドレスへの配信を自動的にストップしてくれます。例えば、「メルマガが2回連続で届かなければそのアドレスにはもう配信しない」などの処置を行ってくれます。
僕が使っているエキスパという配信サービスも、そのようなシステムになっています。よって、この機能がある配信サービスを利用することで、到達率を高く維持することができます。
まとめ
今回は、メルマガ配信の到達率を上げる方法について解説してきました。
メルマガの到達率は、読者の行動によって決まっています。メルマガに対して良い反応をする読者が多いほど、到達率は高まります。
したがって、良い反応をしてくれる読者の割合を増やすことを意識してください。必ず相手の承諾を取り、定期的に配信を行うことは大前提です。また、読者の獲得方法や、メルマガの件名・内容を改善していくことも大切です。
到達率の上昇に比例して、メルマガからの売り上げも伸びていきます。そして、どんどんあなたのビジネスが拡大していきます。
僕の発信が、ほんの少しでも役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。