返報性の法則(原理)とは?ビジネスでの活用方法と実例

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こんにちは、武藤です。

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誰かに親切にしてもらったら、お返しをしなければいけないという気持ちになります。

例えば、誕生日にプレゼントをもらったとします。すると、相手の誕生日にもプレゼントをしなければ、という気持ちになります。

これを、心理学の用語で「返報性の法則(=返報性の原理)」といいます。

返報性の法則(原理)は、ビジネスの世界でも広く活用されています。

僕もこれを活用することで、売り上げをアップさせたり、新たな人脈を作ったりすることができるようになりました。

この記事では、返報性の法則(原理)の意味や実例、ビジネスでの活用方法を、実体験をもとに紹介していきます。

返報性の法則(原理)のビジネスにおける活用例

ここからは、返報性の法則(原理)が活用されているシーンを紹介します。

特に、無料や低額での「お試し」「サンプル」は、返報性の法則(原理)を活用したビジネスの戦略です。

スーパーの試食コーナー

スーパーの試食コーナーでは、返報性の法則(原理)が使われています。

ここでは、無料で美味しいものを試食できます。さらに、販売員さんが親切に対応してくれます。

すると、「ここまでしてくれたのだから購入してあげよう」という気持ちになります。

もちろん、企業はこのような感情を理解した上で、意図的に行なっています。

試食コーナーを作るのには、多額の経費がかかります。

まず、必ず食材の費用がかかります。保温や加熱が必要な食品であれば、光熱費も必要です。

さらに、販売員さんに支払うお給料も必要となります。

しかし、これらのコストを支払ったとしても、それによって得られる売り上げの方が大きくなります

だからこそ、わざわざ試食コーナーを用意しているのです。

エステやマッサージの体験

エステやマッサージの体験も、返報性の法則(原理)を活用しています。

これに申し込むと、無料や低額で施術を受けられます。そして、快適な経験をすることができます。

また、肌や身体の状態についても、真摯にアドバイスをしてくれます。

最後には、必ず有料コースの販売があります。

多くの人は、「無料でここまでしてくれたのだから申し込もう」と考えるようになります。

アンケートの回答率を上げる

返報性の法則(原理)が使われるのは、商品を販売する場合だけではありません。

相手に対して、特定の行動を促すためにも使われます。

僕は、返報性の法則(原理)を、アンケートの回答率を上げるために使いました。

以前の僕を含め、ほとんどの人は「よろしければアンケートに回答してください」と頼もうとします。

しかし、お客様はそれを面倒に感じます。よって、ほとんど答えてもらうことができませんでした。

そこで、回答者に対してプレゼントを渡すようにしました。

具体的には、「アンケートに答えてくれたら割引券を差し上げます」という提案を行いました。

すると、アンケートに答えてくれる人が爆発的に増えました。

このとき、相手に得をさせることで、行動をしてもらうことができることを学びました。

このように、相手に行動を促す際にも、返報性の法則(原理)を活用できます。

格上の人と人脈を作る

返報性の法則(原理)を使うと、新たな人脈を作ることができます。

自分より実績がある人とも、関係性を構築することが可能です。

多くの人は、いきなり相手に近づこうとします。

例えば、いきなりメールを送って「一緒にビジネスをしましょう」などという提案をします。

しかし、実績がある人は忙しいです。それに、警戒をされてしまいます。このため、無視をされるだけで終わります

そこで、返報性の法則(原理)を使います。

いきなり自分の目的を達成しようとせず、相手に得をしてもらうことを考えます。

商品を購入してお客さんになる

相手が商品を販売しているのなら、最も高額なものを購入します。

すると、あなたは相手にとって「お客様」になります。

お客様を冷たくあしらう人はいません。これだけでも、相手にとって無視できない存在になることができます

そこから何度も商品を購入し、仲良くなります。

その後で、ようやく「一緒にビジネスをしませんか」という提案をするのです。

僕のブログにも、知らない人から「ビジネスの相談に乗ってください」というメールがたくさん来ます。

冷たいようですが、基本的には無視しています。

なぜなら、日々の業務やお客さんへの対応に時間を使いたいからです。

しかし、何度もイベントやセミナーに来てくれる人からのメールは、どうしても無視できません

このように、相手に対してお金を払い、得をしてもらうことで人脈が生まれやすくなります。

与えられるものはお金だけではない

人脈を構築するとき、相手に与えられるものはお金だけではありません。

例えば、相手が優秀な経営者であるものの、パソコンが苦手な人だとします。

そして、ホームページを上手く作れずに困っているとします。

この場合は、「代わりに無料でホームページを作ってあげます」という提案をすることも、非常に有効となります。

あるいは、相手がいわゆる女(男)好きならば、女性(男性)を紹介するのもありです。

人脈を構築する際には、「相手が一番欲しいものは何か」を見極めるようにします。

そして、それを提供することで、一気に人脈を作りやすくなります。

返報性の法則(原理)がビジネス成功の鍵を握る

僕は、17歳の頃からビジネスをしてきました。そして、さまざまな心理学の知識を勉強しました。

その中でも、返報性の法則(原理)は最も重要なものの1つだと考えています。

ビジネスを成功させられない人の共通点

ビジネスを成功させられない人には、ある共通点があります。

それは、相手に対して「先に与える」ことができないことです。

それどころか、相手から「先に奪う」ことばかりを考えていることです。

これは、過去の僕も同じでした。

僕が最初に行ったビジネスは、音楽イベントの制作でした。

収入を得るには、イベントに参加してくれるお客さんを集めなければいけません。

このとき、僕は最低の行為をしていました。

見ず知らずの人に、「イベントに参加しませんか」というメールをバラまいていたのです。

何も与えることをせず、いきなり相手からお金を取ろうとしていました。

当時は、ビジネスの知識や経験がありませんでした。このため、これ以外のやり方を知りませんでした。

相手からすれば、いきなり商品を売り込まれた嫌悪感しかありません。

実際、ほとんど無視されるか、罵声を浴びせられるかでした。

(あまり書きたくありませんでしたが、このブログには失敗談もしっかりと伝えていきます)

世の中には、このような形でビジネスをしている人はたくさんいます。

例えば、「初対面の相手をしつこく勧誘をする」「いきなり電話をかけて商品を売りつけようとする」などです。

しかし、誰も上手くいっていません。無視されるか、嫌われるかのどちらかです。

ビジネスが上手く行く人は「先に与える」

ビジネスで成功する人は、この逆を行っています。つまり、先に与えることだけを考えています。

この典型例が、無料の試食コーナーや、エステの体験です。

先に価値を提供するからこそ、相手は好感を抱いてくれます。そして、感謝をしてくれます。

それが、売り上げという形で返ってくるのです。

人間は基本的に、自分が得をすることを考えています。よって、なるべく自分が得をするように行動しようとします。

よって、自分に価値を与えてくれる人を無視できません。

無料の試食コーナーに人が集まるのも、有益な情報を発信しているブログが大量のアクセスを集めるのも、すべて同じ理論です。

僕も、これに気づいてからイベントのビジネスが上手くいくようになりました。

まずは、集客のメールをばら撒くのを止めました。

音楽関係のブログを作り、音楽に興味がある人に有益な情報を発信しました。

すると、音楽が好きな読者さんがたくさん増えました。

そして、彼らに向けて少しだけイベントの案内をするようになりました。

つまり、いきなり売り込むのではなく、先に価値を与えることを心がけたのです。

この結果、多くの人が応募をしてくれるようになりました。

そして、イベントの仕事だけで生計を立てられるようになったのです。

インターネットと返報性の法則(原理)

インターネットを活用したビジネスで成功する人も、全員が返報性の法則(原理)を活用しています。

もちろん、本人も意識していない場合はあります。

それでも、成功している人を観察すれば、全員がこれを活用していることが分かります。

無料で価値を与えると人気を集められる

ビジネスにインターネットを活用するには、自分の発信を見てくれる人を増やす必要があります。

ブログであれば、アクセスを増やすことが必要です。

SNSであれば、フォロワーを増やすことが大切です。YouTubeであれば、チャンネル登録者数を増やすことです。

それでは、どうすれば多くの人に発信を見てもらえるのでしょうか

この問いに対する答えが、まさに返報性の法則(原理)を活用することなのです。

まずは、無料で相手に与えることだけを考えます。

具体的には、有益な発信を大量にしていきます。

有益な発信とは、相手のプラスになることであれば何でも良いです。

知識を提供しても良いです。共感できる主張を展開しても良いです。

飼い猫の写真を投稿して癒しを与えても良いですし、笑わせるような投稿をしても良いです。

インターネット上で、人気を集めている人を観察してみてください。

彼らは全員が、有益な発信を大量に行っています。しかも、何年もそれを続けています。

これは、ブログ、SNS、YouTube、メルマガなど、メディアに限らず全員が同じです。

与えると返ってくる

有益な情報を発信し続けるだけでは、単なるボランティアで終わってしまいます。

しかし、そうではありません。発信による与える行為は、きちんと収入となって返ってくるのです。

例えば、Twitterで可愛い飼い猫の写真を投稿をしている人がいます。

彼女は飼い猫の写真集を発売し、フォロワーから大量に購入してもらうことに成功しています。

あるいは、面白い動画を投稿し続けているYouTuberがいます。

彼は動画をたくさん見てもらうことで、多額の広告収入を稼いでいます。

これは、僕が運営しているブログも同じです。

音楽関係のブログでは、歌や楽器を演奏する人に役立つ情報を大量に公開しています。

こうして集まった読者さんが、お金を払って僕のイベントやスクールに参加してくれます。

このビジネスブログでは、好きなことや得意なことを仕事にする方法をすべて公開しています。

こうして集まった読者さんが、「お金を払うのでビジネスを教えてくれませんか」と言ってくれます。

このように、インターネットを活用したビジネスで成功している全員が、返報性の法則(原理)を活用しています。

資金ゼロで「与える」ことができる

先ほど例に出した、スーパーの試食を考えてみます。

試食をさせるのには、多額の経費がかかりますよね。少なくとも、材料費と人件費がかかります。

もちろん、それは後により大きな売り上げとなって返ってきます。しかし、一度は経費を先出ししなければなりません。

資金に余裕がない企業の場合、試食コーナーを作りたくても作れないこともあります。

このように、返報性の法則(原理)を使えるのは、ある程度資金力がある企業に限られていました。

それでは、インターネットを活用する場合はどうでしょうか。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSに投稿する場合を考えます。

このとき、1円もかかりません。

ブログに記事を投稿したり、YouTubeに動画を投稿したりする場合も同じです。

このように、インターネットでは、与える行為をするのに資金が必要ありません。

したがって、誰でもこれを行うことができます。

このことからも、返報性の法則(原理)とインターネットは、非常に相性が良いのです。

与えることを自動化できる

インターネットで有益な情報を発信するのは、とても大変です。それは、僕がブログを書く際も同じです。

まずは、必死に情報収拾と下書きを行います。そこから、ようやく何時間もかけて文章を書き始めます。

しかも、数百単位で記事を書き続けています。これには、年単位の時間が必要となります。

しかし、インターネットの特性上、投稿した情報はずっとそこに残り続けます

例えば、いまあなたはこの記事を読んでいます。しかし、この記事は僕が以前に書いたものです

つまり、インターネットに一度投稿した情報は、半年後も、1年後も、5年後も見てもらうことができます。

これにより、読者に有益な発信を与えることを自動化できるのです。

一度大量の投稿をすれば、後は放置をしても問題ありません。

自動的にたくさんの人が訪れて、ファンになってくれるようになります。

つまり、自動的にお客さんが増えていきます。

このように、インターネットを活用した発信では、価値を与える行為を自動化することができます。

情報を発信する側に回る

インターネットを活用してビジネスを成功させるためには、条件があります。

それは、情報を発信する側に回ることです。

インターネット上では、発信をする側が「与える」側です。

そして、それを受信する側が「もらう」側です。

例えば、いまあなたはこの文章を読んでいます。

これも、僕が「与える」側になっています。そして、あなたが「もらう」側ですよね。

「もらう」ことだけを行っていると、いつまでも自分のお客さんは集まりません。

このため、あなたも発信をする側になる必要があります。

最初は、自分の発信内容に自信を持てないかもしれません。

「この内容で役に立つのだろうか」「この文章は面白いと思ってもらえるだろうか」と心配になります。

これは、僕も同じでした。ただ、発信を続けて、読者の反応を探るうちに、内容は必ず向上していきます

ぜひ、突き進んで行ってください。

返報性の法則(原理)の落とし穴

ここからは、ビジネスで返報性の法則(原理)を活用する際に、注意すべき点を紹介していきます。

全員が好意に対して返してくれるわけではない

返報性の法則(原理)は、「与えることで返ってくる」という原理です。

しかし、ここには落とし穴があります。それは、あなたの好意を受け取った全員が、何かを返してくれるわけではないということです。

僕は、複数のブログやYouTubeチャンネルを運営し、ひたすら有益な情報を発信しています。

しかし、それを見た全員が商品を購入してくれるかというと、決してそんなことはありません。

ほとんどの人は、無料で情報を受け取るだけです。商品を購入してくれる人は、全体の1%にも満たないです。

これは、インターネットを活用したビジネスに限りません。あらゆるビジネスで、これは同じとなります。

返報性の法則(原理)を活用するとき、「与えれば必ず返ってくる」とは考えないでください。

「与えれば一部の人が返してくれる」程度に考えることが重要です。

「与えられて当然」と考える人は無視すべき

多くの人は、誰かに何かをしてもらったことに対して感謝します。

お返しはしないまでも、少なくとも「ありがとう」という気持ちにはなります。

しかし、世の中にはそのような感情を全く持たない人もいます。

つまり、与えてもらったことに一切感謝せず、それを当然と考える人もいます。

特に、インターネットで情報を発信していると、これは顕著です。

僕のブログにも、自分の名前も名乗らず、大量の質問を一方的に浴びせてくる人がいます。

親切丁寧に返信をしても、お礼のメールすらありません。

また、有料の商品やサービスを購入してくれることもありません。

それでいて、また何度も質問をしてきます。呆れかえって無視をしていると、「なぜ無視するんだ!」と怒りはじめます。

本当に人間として残念すぎると思いますが、このような人はたくさんいます。

インターネット上では、お互いの顔が見えません。このため、人間の本性が浮き彫りになりやすいです。

このような人に時間を使うと、精神的に疲弊してしまいます。このため、何を言われても徹底的に無視をするようにしましょう。

そして、限られた時間とお金を、あなたが心から付き合いたいと思えるお客様のために使うようにしましょう。

返報性の法則(原理):まとめ

ここまで、返報性の法則(原理)について話してきました。まとめると、次の通りです。

・返報性の法則(原理)は、与えられると返さなければいけないという気持ちになるもの

・返報性の法則(原理)を理解し、先に与えることをするとビジネスが成功する

・インターネットを活用したビジネスと、返報性の法則(原理)は相性が良い

・インターネットを活用したビジネスを行う第一歩は、情報を発信する側に回ること

・返報性の法則(原理)では、好意に対して全員が返してくれるわけではない

・あなたの好意を一方的に奪おうとする相手は、徹底的に無視をするべき

返報性の法則(原理)を意識することで、ビジネスを成功に導くことができます。

売り上げをアップさせることはもちろん、新たな人脈を作るなど、あらゆる場面で必ず役に立ちます。

ぜひ、活用してみてください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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