こんにちは、武藤です。
「やる気が出ない」「集中力が続かない」という問題には、多くの人が悩みます。
これは、僕もそうでした。受験勉強やスポーツ、楽器の練習、そして仕事・・・。
しかし、「作業興奮」という脳の作用を使うことで、これらの多くを解消することができます。
あなたも、勉強・仕事・家事・趣味など、あらゆる場面でやる気と集中力をフルに活用できるようになります。
この記事では、「作業興奮」の活用方法を紹介します。
記事の内容を動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。
もくじ
作業興奮を簡単に説明すると
まず、「作業興奮」とは何かを簡単に説明したい。
「やる気→作業」ではなく「作業→やる気」
作業興奮とは、やる気が起きないことでも、作業を開始することによって、集中力が高まっていくという脳の作用のこと。
「やる気が出ない」と嘆く多くの人は、「やる気が出てから作業を始めよう」と考えている。これは、僕もそうだった。
これは、
やる気 → 作業
という順番で考えているということ。
しかし、作業興奮を知っている人は、この順番を入れ替える。そして、「とりあえず作業を始めてやる気を出そう」と考える。
つまり、
作業 → やる気
という順番になる。
作業興奮から分かることは、やる気が出なくても、とりあえず作業を開始することが大事だということ。
作業を開始することによって、やる気は勝手に出てくるということ。
作業興奮の実例
作業興奮の中身を知ったとき、僕には思い当たるエピソードがたくさんあった。
例えば、部屋の掃除。なかなかやる気が出ず、始めることすらできない。しかし、一度始めてしまうと、部屋の隅々まで綺麗にすることができた。
あるいは、小さい頃に習っていたピアノの練習。始めるまではやる気が出ないものの、始めてからは20分・30分と続けることができた。
あなたにも、少なくとも1つはこのような経験があると思う。
作業興奮の仕組み
この作業興奮は、どのような仕組みで起こるのだろうか。これは、ドイツのクレペリンという心理学者が発見したもの。
脳の中心には、「側坐核(読み方:そくざかく)」という場所がある。
手足を動かしたり、何かを考えたりすることで、ここが刺激される。そして、集中力の元である「ドーパミン」という物質が分泌される。
したがって、作業を始めることで、やる気が出てくるという現象が起こる。
作業興奮を活用する上での問題とそれを解決する方法
作業興奮を起こすためには、とにかく作業を開始することが大事だ。しかし、ここで1つ問題が発生する。
それは、やる気が出ないときは、作業を始めることができないということだ。
このため、作業を開始するまでのハードルを下げる必要がある。これには、次の2つのコツが存在する。
すぐに作業を開始できる環境を作る
やる気が出なくても作業を開始するには、その作業をすぐに始められる環境を作ることが大切だ。
例えば、英単語を覚えたいなら、単語帳は本棚にしまわない。机の上に広げておき、すぐに暗記を開始できるようにしておく。
僕は、あるピアノの先生のお話を聞いたことがある。
彼女が言うには、ピアノの上達が早い人ほど、自宅のピアノがすぐに弾ける場所に置かれているという。
また、ピアノには「フタ」があるのだが、これさえしない方が良いという。
「フタを開ける」という作業さえ、やる気が出ないときは面倒に感じられてしまうからだ。
また、寝る前にすぐに作業を開始できる環境を作ることも有効だ。
例えば、僕は毎朝ブログを書くようにしている。このとき、寝る前にブログの編集画面を開いておくようにしている。
そして、ノートパソコンのカバーは閉じず、開いたままにしておく。
すると、起きたらすぐに文字を打ち始めることができる。
開始するまでのハードルを極限まで下げることで、すぐに作業興奮へ入ることができる。
目標を下げて、できなければやめようと考える
例えば、「今日は英単語を50個覚える」などの目標を立てたとする。
このとき、「50個も覚えなければいけないのか・・・」と途方に暮れてしまうことがある。
そして、余計にやる気がなくなる。すると、なかなか作業が開始できない。
このようなときは、作業の目標を極限まで下げるようにする。例えば、「とりあえず単語帳を開いてみよう」と考える。
単語帳を開けたら、「次は単語を1つだけ覚えよう」と考える。
実際には、少しずつ作業興奮が起きてくる。そして、最終的には50個の単語を覚えることもできる。
しかし、常に「やる気が出なければやめよう」と考える。
仮に、単語を1つ覚えたところで作業を止めたとする。それでも、単語を1つも覚えないよりは良い。
このような考え方をすることで、作業興奮を起こしやすくなる。
作業興奮を邪魔する要因を完全排除する
作業興奮では、作業を中止すると集中力も落ちてしまう。
これを防ぐには、なるべく作業を中止させないことが重要だ。
携帯電話に作業興奮の邪魔をさせないためには
現代人の生活において、作業興奮をいつも邪魔するのが携帯電話だ。
かなりの頻度で表示されるメールやアプリの通知。そのたびに意識を奪われる。動かしていた手足と思考も止まり、作業興奮は冷めてしまう。
これを防ぐためには、まず携帯電話を物理的に遠ざけること。
少なくとも、視界の外には置くようにしよう。僕の場合は、別室に置いてしまっている。
そして、音も鳴らない設定にすること。こうすれば、携帯電話に意識を奪われることは100%なくなる。
僕は、25分に1回は休憩をするようにしている。ここで携帯をチェックすれば、緊急の連絡を見落とすこともなくなる。
あなたを誘惑するものを遠ざける
作業興奮のもう1つの敵は、「途中で別の作業を始めてしまう」ということだ。
例えば、勉強をしているのに、ついテレビを見てしまう。漫画を読んでしまう。ゲームをしはじめてしまう。
最高なのは、これらの要因となるものを捨てることだ。漫画を捨てる、ゲームを捨てる、テレビを捨てる。
しかし、そこまでする勇気がない人も多いだろう。そして、捨ててしまうと、息抜きの時間にすることもなくなってしまう。
捨てられない人は、これらを遠ざけることを考えてほしい。
例えば、テレビのコンセントを抜く。漫画やゲーム機を棚の奥にしまう。
先ほど、やるべき作業を始めるまでのハードルを下げる重要性を話した。
逆に、やるべきではない作業については、それを始めるまでのハードルを上げることが重要である。
テレビが見たいからコンセントを繋ごうとするとき、棚の奥から漫画やゲーム機を探すとき、「こんなことをしている場合ではない」という自制心が働く。
また、家の部屋数が多い人は、「作業をする部屋」と「リラックスする部屋」を分けることが有効だ。
作業する部屋には、作業に必要なものしか置かない。あなたを誘惑するものは、すべて別室に置くようにする。
そうすると、作業をするしかなくなる。ぜひとも、試してみてほしい。
環境を変える
自宅の環境が、作業興奮に適していない場合がある。例えば、あなたを誘惑するアイテムがたくさんある。
あるいは、家族と一緒に住んでいる場合。
一緒に住んでいる相手に、「作業しているのだから話しかけないでくれ」と言うのも寂しいだろう。
この場合は、カフェや図書館などを活用すべきだ。自宅で作業興奮に入ることを諦め、別の場所を使うようにする。
カフェを使う場合、最低でも数百円はかかってしまう。しかし、これは「お金で時間を買う行為」と考えるべきだ。
僕たちは、基本的にお金で時間を買っている。
例えば、歩けば平気で数時間かかってしまう距離を、バスや電車で気軽に移動する。
あるいは、自分で栽培すれば膨大な時間がかかる野菜を、スーパーで安く購入している。
カフェで作業をするお金も、これと同じように考えれば良い。
1日数百円で、作業興奮に入りやすくなる。そして、成果を出すスピードが上がる。
こう考えれば、安いものではないか。
作業興奮を邪魔したものをメモして潰していく
この他にも、作業興奮を邪魔するものは全て排除することが重要だ。
あなたが、何かの要因によって作業興奮を邪魔されたとする。このときは、「邪魔をしたもの」をメモするようにする。
そして、1日の終わりなどに「どうすればそれを排除できるか」という対策を考える。それを終えてから、眠るようにする。
これにより、少しずつ作業興奮を邪魔されない環境を作ることができる。
作業興奮をマスターする方法:まとめ
ここまで、作業興奮をマスターする方法を解説してきました。まとめると、次の通りです。
・作業興奮とは、作業を開始することでやる気が出てくる脳の作用
・作業興奮を効果的に使うポイントは、作業を始めるまでのハードルを下げること
・作業興奮を中断させるものを極力排除することが重要
作業興奮の使い方をマスターすることで、勉強・仕事・家事など、あらゆる作業をスピーディに進めることができるようになります。
ぜひ、取り入れてみてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。