差別化を図るシンプルかつ最強の3つの戦略。事例も解説

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こんにちは、武藤です。

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ビジネスには、ライバルがつきものです。

街には、無数の飲食店があります。携帯電話のショップには、さまざまな企業の携帯電話が並んでいます。

お客さんは、他と似たようなものには見向きもしません。

「これは他の商品やサービスと違う!」と思うからこそ、興味を持ってもらうことができます。

この、他社の商品やサービスとの違いを生み出そうとすることを、差別化といいます。

この記事では、差別化を図るための3つの戦略と、その事例を紹介します。

記事の内容を動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。

差別化を図るのに失敗する2つの戦略

差別化を図るのに失敗する戦略としては、次の2つがあります。

ライバルより質を高める戦略

差別化に失敗する戦略として、ライバルより商品やサービスの質を高めようとすることがあります。

例えば、レストランはより美味しい料理を作ろうとします。

音楽家は、他の人より練習して楽器を上達させようとします。

パソコンメーカーは、ライバルよりも機能を高めようとします。

しかし、これだけを行っても必ず失敗します。なぜなら、ライバルもみんな同じことをやっているからです。

レストランが味を追求するのは当然です。ミュージシャンが良い演奏をするのは当たり前です。パソコンメーカーが機能を追求するのは当然です。

そもそも、差別化とは「違いを生み出そうとする行為」でした。

しかし、差別化を図るための努力の中身が、ライバルと同じであればどうでしょうか

当然、それは差別化として成り立ちません。

したがって、質を高める戦略だけで差別化しようとすると、失敗に終わります。

ライバルより提供価格を安くしようとする

差別化を図るのに失敗するもう一つの戦略として、ライバルより価格を安くしようとすることがあります。

確かに、低価格を実現できれば差別化になります。

例えば、ライバルが3万円の商品を販売しているとします。そこに、あなたが同等の商品を2万円で販売できれば良いです。

このように見ると、一見価格を下げることは良いことに思えます。

しかし、これには2つの落とし穴があります。そして、必ず後悔することになります。

大企業に勝てない

そもそも、低価格戦略は大企業の得意分野です。

大量に仕入れをしたり、高額な設備を使って自動化をしたりできます。

これにより、経費を大幅に削減できます。

しかし、個人や中小企業が同じことをしようとしても無理です。

このため、大企業より価格を下げることは難しいです。下げたとしても、ほとんど利益を出すことができません。

忙しくなる

僕も、安さを売りにしてビジネスをしていた時代がありました。しかし、忙しいばかりで、いつまでも収益が上がらなかったんです。

あるとき、自分の給料を時給換算してみました。やはり、悲惨な数字になりました。

「これなら学生時代にしていたアルバイトの方がよほど良いな・・・」と思ってしまいました。

あるいは、あなたが従業員を雇うとします。

この場合、安い給料で忙しく働かせることになります。このため、優秀な人を採用しにくくなります。

客層が悪くなる

商品価格で差別化しようとすると、客層が一気に悪くなります。

理不尽なクレームが多発し、精神的に疲弊することになります。

また、このようなクレームへの対応に時間を取られると、他のお客さんに提供するサービスの質も低下します。

この結果、良質なお客さんが離れていきます。

売り上げが安定しない

さらに悪いことに、安さを目当てに集まったお客さんは、固定客になりにくいです。

「安いから」という理由で集まった人は、ライバルがさらに価格を下げたら、そっちに行きます。

このように、安く提供すると利益は出にくくなり、客層も悪くなります。

また、固定客がつきにくくなり、売り上げが不安定になります。

したがって、良いことは全くありません。

差別化を図るには、「機能を高める」「価格を下げる」以外の戦略を考えなければいけません。

ライバルと違うコンセプトで差別化を図る戦略

ここから、差別化を図るために必要な、正しい3つの戦略を紹介します。

1つ目は、「ライバルと違うコンセプトで差別化を図る」という戦略です。

コンセプトとは、簡単に言うと「全体に流れるメッセージや概念」のことです。

例えば、ディズニーランドのコンセプトは「夢と魔法の国」です。

このブログのコンセプトは「好きなこと・得意なことを仕事にする方法」です。

それでは、「ライバルとコンセプトをずらす」とは、一体どのような戦略なのでしょうか。

僕のブログにおける事例をもとに、分かりやすく解説していきますね。

「ブログで稼ぐ方法」では差別化できない

僕のブログは、「起業」や「ビジネス」という分野を扱っています。

これらを解説するブログは、世の中に数多く存在しますよね。

よって、ライバルの多い激戦ジャンルであると言えます。

記事の内容としては、ブログやYouTubeをビジネスに活用する方法を解説したものが多いです。

このため、「ブログでビジネスをする方法」「YouTubeで稼ぐ方法」というコンセプトにしても問題ありません。

しかし、そのようなコンセプトで発信をしている人は、他に腐るほどいます。

したがって、他のブログと差別化を図ることができません。

そこで、「ライバルと違うコンセプトで勝負する」ことを考えたのです。

ライバルと違うコンセプトで勝負する

まずは、自分がこのブログで伝えたいことは何なのかを、もう一度考え直しました。

その結果、「好きなこと・得意なことを仕事にする方法」なのではないか、という結論に至りました。

僕は、音楽が好きな高校生でした。17歳で起業をしてから、自分の好きな分野で仕事をしています。

そもそも、このブログを立ち上げたのも「どうしたら武藤さんのように自分の好きな分野で仕事ができるのか?」と、周囲から聞かれるようになったことがキッカケでした。

このブログを立ち上げたとき、「好きなこと・得意なことを仕事にする方法」というコンセプトで発信している人はほぼいませんでした。

このため、発信を開始した瞬間に「この人は他と違う!」と思ってもらうことができました。

だからこそ、今日まで多くのアクセスを集めることができています。

このように、ライバルが多い分野であっても、コンセプトを変えることで差別化することができます。

対象となるお客様を狭めて差別化を図る戦略

コンセプトを変える以外にも、対象となるお客様を狭めることで差別化を図ることができます。

ここからは、僕が行っているビジネスでの失敗例と成功例も含めた、2つの事例を紹介しますね。

美尻パーソナルトレーナー

ダイエットや筋トレをサポートする、パーソナルトレーナーという職業があります。

この職業をしている人は多いため、ライバルの多い市場です。

僕は、趣味でスポーツジムに通っています。ここに、「美尻パーソナルトレーナーのイベント」の告知がしてありました。

美尻パーソナルトレーナーとは、「お尻の形を綺麗にしたい女性」を専門にしたパーソナルトレーナーというコンセプトでした。

通常のパーソナルトレーナーも、お尻の鍛え方を指導してくれます。

しかし、この人はあえて「お尻の形を綺麗にしたい人」に対象を絞っているのです。

ただ単純に「パーソナルトレーナー」と言われても、珍しくもなんともありません。

しかし、「美尻パーソナルトレーナー」と言った瞬間に、「この人は他の人と違う!」と思わせることができます。

そして、一瞬で差別化を図ることができます。

コピーバンド限定のライブイベント

僕が行なっているビジネスの1つに、音楽イベントの制作があります。

高校3年生、17歳の時にこれを始めました。

イベントの制作を行っている人はたくさんいます。したがって、これもライバルが多い市場と言えます。

音楽イベントを開催するためには、演奏するバンドを集めなければいけません。

それがいなければ、イベントは成立しません。

当初の僕は、「このイベントはどんなジャンルのバンドでも出演できますよ」というルールにしていました。

しかし、それではほとんどバンドは集まりませんでした。

そこで、「コピーバンドだけが出演できるイベント」を作りました。

コピーバンドというのは、有名なミュージシャンの曲を演奏するバンドです。

ほとんどのイベントは、コピーバンドでも出演できます。

しかし、彼らはいつも少数派です。自分の曲を演奏するバンドと共演して、肩身の狭い思いをしている人が多かったのです。

そこで、「このイベントはコピーバンドだけが出演します」と絞ったのです。

すると、出演を希望する人がどんどん増えていきました。今では、何年も続く人気のイベントになっています。

対象を絞るほど売り上げは上がる

ここまで、対象を絞ることで差別化を図った事例を紹介してきました。

ただ、「お客様を絞ったら売り上げも減るのではないか」と心配する人は多いです。

以前の僕も、全く同じことを考えていました。このため、その気持ちはよく分かります。

しかし、マーケティングの世界では「対象を1/2に絞ると売り上げは2倍になる」と言われます。

なぜなら、その対象となるお客様の心に、より深く突き刺さるようになるからです。

「お尻を綺麗にしたい」と考えている人が、単に「パーソナルトレーナー」を見てもあまり深く突き刺さりません。

しかし、「美尻パーソナルトレーナー」を見ると、「この人は自分にピッタリだ!」と思います。

このように、ビジネスでは対象を狭めるほど、お客さんも増えていきます。

複数の分野を組み合わせて差別化を図る戦略

差別化を図る3つ目の戦略として、2つ以上の分野を組み合わせるというものがあります。

ここから、2つの事例を紹介していきます。

コスプレイヤー×オーボエ奏者

漫画やアニメのキャラクターに扮装する人のことを、コスプレイヤーといいます。

あるとき、音楽の仕事で知り合った人から「コスプレをしてオーボエを演奏する人がいる」と聞きました。

オーボエとは、クラシックで使われる木管楽器の一つです。

コスプレイヤーや、オーボエ奏者は決して珍しい存在ではありません。

しかし、この2つを組み合わせただけで、全く新しい存在に映ります

実際、彼女は大きな話題になり、国内や海外のさまざまなイベントで活躍しているそうです。

音楽教室×マーケティング

僕が行っているビジネスの1つに、ミュージシャンを対象としたスクールがあります。

音大や専門学校、音楽教室など、ライバルはたくさんいます。つまり、かなりの激戦ジャンルです。

音楽教育というと、歌や楽器を指導するものがほとんどです。

しかし、僕のスクールはそうではありません。ミュージシャンに対して、マーケティングを指導しています。

マーケティングとは、集客や販売の戦略のことです。

世の中には、高い実力を持つミュージシャンがたくさんいます。しかし、マーケティングの知識がないため、売れずに苦しむ人が多いです。

そこで、僕が起業を通じて勉強したマーケティングを指導すれば、多くのミュージシャンを救えるのではないかと思いました。

音楽教室は、世の中にたくさんあります。マーケティングを教えるスクールも、たくさんあります。

しかし、「ミュージシャンにマーケティングを教える」という形で、これら2つの分野を融合させたのは僕が初めてでした。

このため、開始した瞬間に差別化を図ることができました。

どちらの世界で1位を取れなくても問題ない

複数の分野を融合するとき、それぞれの分野で1位を取れなくても問題ありません。

例えば、僕の音楽スクールにおける事例で考えてみましょう。

音楽教室でも、マーケティングのスクールでも、僕より実績のある人は腐るほどいます

しかし、それら2つの分野を融合させた瞬間、僕は1位を取ることができました

1つの分野の中で、ライバルと差別化を図ることが難しい場合があります。

しかし、分野同士を組み合わせるという戦略を取ることで、簡単に圧倒的な差別化を図ることができます。

差別化を図る戦略:まとめ

ここまで、差別化を図るための戦略について解説してきました。まとめると、次の通りです。

・差別化とは、ライバルの商品やサービスとの違いを生み出そうとすること

・機能や価格で差別化を図ろうとする戦略は失敗する

・差別化を図る正しい戦略は「コンセプトを変える」「対象を絞る」「複数の分野を組み合わせる」の3つ

記事で解説した戦略を実行すれば、ライバルと簡単に差別化を図ることができます。

そして、新たなお客さんが次々に舞い込むようになります。

ぜひ、活用してみてください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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